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クルマにとって最も苦しかった排ガス規制。そんな時代に生まれた不幸な1台。

 昭和41年、国内に爆発的なマイカーブームを到来させた1台の日産の戦略車が登場した。大衆車時代の幕開けを告げた強烈なインパクトを持った車、それが初代サニー(B10)だ。昭和45年に登場した2代目サニーB110は、そのスポーツ性の高さをレースで証明し、2ドアハードトップ人気と出力アップで当時の若者に絶大な人気を得る。その後、使い心地の良いベストファミリーカーを目指し発売されたB310サニーなどサニーの歴史はそのまま日産の意欲的名車の歴史といってもいいだろう。しかし、そんな人気車B110とB310とにはさまれた形で発売されていたB210は今ひとつインパクトに掛けていると言わざるを得ない状況だ。しかし、このB210は当時としてはどうしても克服しなければならない2つの課題に挑戦したクルマなのだ。その大きな2つの課題とはオイル・ショックによる排ガス規制と高度経済成長の流れに乗る性能のアップだった。そんな相反する2つの課題を突き付けられた3代目サニーの誕生背景は非常に苦境に満ちたものだった。


 1973年5月に発売された3代目サニーB210は、従来のものに『若々しさ』と『ダイナミックなイメージ』を付け加えて風格ある大衆乗用車の地位の確立を図った。ラインナップは当初から6モデルと充実しており、メーターを上部に、コントロール系統を下部にまとめてグローブボックスまでを一体化させた「オーバル・スクープ・コクピット」を採用するなど日産の意欲が感じられた。
 当時はクリーンな排気ガスにするため、各メーカーは競ってあの手この手で規制をパスしようとしていた。日産も排ガス規制をクリアするために新しくエンジンを開発する。「NAPS」と呼ばれるエンジンがそれだ。しかし、いかんせん余計な周辺機器が付いてしまった日産NAPSエンジンの評判はがた落ちし、当時の日産フリークまでもが他メーカー車に乗り換えてしまう始末だった。しかし、不遇の時代を乗り越えて来たB210は間違いなく現在まで続くサニーファンの記憶の中にしっかりと残っている。

------- DATA -------
NISSAN サニーB210

全 長  3,950mm
全 幅  1,545mm
全 高  1,370mm
エンジン A12
排気量  1,397cc
最大出力 80ps/6,400rpm


取材協力 : 久保田自動車工業



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