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 日本だけでなく世界を舞台に大活躍し、当時の若者に大ブームを巻き起こした日産510ブルーバード。その510型が上級モデルへの移行に伴い610型にモデルチェンジ。そんな中、サニーとブルーバード610との中間マーケットを狙って発売されたのが今回紹介する『バイオレット1600デラックス』。
 型式名710を名乗る初代バイオレットは、510型ブルーバードをベースに開発された車で、基本コンポーネンツは510型を共有している。しかし「より豪華に」「よりカッコよく」という時代の要因に合わせるように、510ブルーバードの持つ機能的でクリーンな外観を捨ててしまい、ボディスタイルは当時の日産車によく見られた流麗な曲面を多用した、どちらかといえばアクの強いものだった。
 その凝ったデザインは、屋根からトランクにかけて、4ドアセダンであったにもかかわらずファストバックになっており、ベルトラインやキャラクターラインの描く線も個性的で、独自の美意識が感じられるように思う。特にセドリックなどに採用された尻下がりのデザインは良くも悪くも強烈なインパクトをユーザーに与えた。
 しかし、当時の風潮がいくらスタイル優先だったとはいえ、4ドアセダンがファストバックスタイルというのは機能的には、他車と比べて大きなハンディだったことも確かだ。そこで数年後には大幅なマイナーチェンジが行われ、トランクがフラットな形状に大幅変更されてしまう。故に、この形のバイオレットは数もかなり少なく希少価値もかなり高い。
 エンジンはL14型を採用。6000回転で85馬力を発揮。乗った感じはそんなにスパルタンな印象は与えずスムーズでゆったりとしたマイルドな感覚だ。しかし、上位グレードのSSSは510ブルから四輪独立懸架を引き継いでいてラリーでも大活躍し、レース仕様車も用意されるなど、スタイルだけでなく機能的にもなかなかのものだった。特に2代目バイオレットはアフリカサファリラリーで日本車初の4連覇を達成した名車であることは有名な話だ。
 いずれにしても、サニー・ブルーバードとよく比較されることの多いバイオレットだが、動力性能のでは一歩ヒケをとるものの、その個性的で目立つデザインで注目を浴びていったのだ。


OWNER : T.FURUYA


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