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CBRの登場で生産を中止されたCBX400Fは、販停止後も需要が陥る事はなく、中古車でありながら新車の価格を上回る取り引きも存在した程のこのモデルは、過去を決して振り返らないHONDAがこのモデルに関しては、ただ1度だけ振り返った。

CB400F以降、ホンダの400ccでの主力はOHC3バルブの2気筒だったが、ライバルメーカーの主力は4気筒モデルに移行していった。
それに対向して開発されたのが『ホンダCBX400F』だ。新設計のDOHC4気筒のエンジンは48馬力を発生し、足廻りもフロントにエア併用のフォークとインボードディスクブレーキ、リアにプロリンクを装備し、大ヒットとなった。
カワサキZ400FX・ヤマハXJ400・スズキGSX400Fなど、400ccクラスの激戦が繰り広げられた1970年代の後半から1980年代。この頃ホンダは、CB400four以来となる4気筒エンジンと、クラスとしては初めての量産型DOHCを搭載した1台のバイクを発表した。4サイクル・メーカーとして威信を賭けて発売されたこのCBX400Fは先行するライバル車を大きく凌ぐ最新機構を盛り込み、強力な支持を得た。しかし、進化のスピードが激しいこの時期、2年後の1983年12月には次期モデルCBR400Fにスイッチされてしまう。
 だが、翌年の1984年10月には、再燃焼した市場からの人気に呼び戻されるように復活を果たした。
「真綿のような…」と評されたインボード・ディスクは、遠心ファンにより強制的に熱を放出するのと同時に、冷却風の吸入量を増大させるベンチレーション・システム。雨にも負けない一定のコントロール性能を求めていた。そして、これにアジャストされるように、トルク応対型アンチノーズダイブ機構TRAC(トルク・リアクティブ・アンチダイブ・コントロール)が採用されている。これは、フォーク内のオイルの流れをブレーキングの強弱によってコントロールし、サスペンションのダイブを制御するものだ。但し、急激なショックにはこのコントロールをキャンセルするシステムにもなっている。さらに注目したいのがリアの足廻りだ。世界初の中空アルミキャスト構造の超軽量スイングアーム、これにアジャストするエア・アシスト付のプロリンク・サスなどの新機構により、路面状況によってストローク量の小さい時には柔軟に、大きい時には堅牢に制御される。
 パワーアップとトルクの増大を図った4into2to1のクロスフローのエキゾースト・システム、そしてホンダ初のアンダー・フロアー・ロッカーアームを採用した究極の空冷4気筒のパワーユニットなど、全てに革新のシステムを導入しての華々しいデビューだった。当時最速のインライン・4は1987年を最後に総合カタログからその姿を消した今でもその輝きを失っていない。


取材協力/有限会社 SEEK

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